駐在員の病院事情

昨今、日本企業に就職しても駐在員として海外で働く日本人の数が増えています。グローバル化に伴って、海外留学や海外旅行への敷居も下がったことで視野が広がり、海外にも拠点を置く企業が年々増えています。その中でも海外赴任先として多いのがアジア地域です。物理的な距離の近さに加え、アジア市場の成長も背景となっています。今回の記事では、アジアの中でも海外旅行先として今人気急上昇中の香港にスポットを当て、香港に赴任する際に気をつけたい、香港の病院事情、健康保険、日系病院についてご紹介します。

香港の医療事情

香港は2016年、男性が81.32歳、女性が87.34歳で男女ともに平均寿命が世界1位になりました。健康志向が強く、高度な医療技術をもつ長寿国の香港ですが、香港には私立病院と公立病院の2種類があり、それぞれ異なる特徴、メリット、デメリットを持っています。 香港の公立病院の特徴 香港の公立病院の医療水準は非常に高いとされており、最先端技術を用いた治療を小額の費用で受けられることが最大の特徴です。香港の公立病院は一律料金となっており、政府が発行するID保有者(香港市民や香港在住の外国人)であれば、初診は100ドル(約 1,450円)、再診からは60ドル(約 870円)で診察を受けることができます。入院費も一日一律100ドルで、外貨手術費や入院の際の食事の費用も含まれています。また、どんな薬の費用も一律10ドル(約 145円)となっており、医療費が私立病院の100分の1ほどの費用で治療を受けられる場合もあるほどです。そのため、長期的な入院を希望する方や、重症患者のほとんどは公立病院を利用しています。ただ、こうした医療費の安さから利用者が多いため、予約が取りずらく、待ち時間も平均4時間で8時間をこえることもあるほどです。また、日本語対応ができないため、日本人が公立病院を利用する場合、言葉の問題がでてきます。 香港の私立病院の特徴 日本人の多くが利用しているのが私立総合病院やクリニックです。理由として、専属の日本語通訳を雇用している場合があり、言葉の面で安心ができるためです。公立病院と比べて希望する日時に予約も取りやすく、医師の選択も可能です。患者の希望に沿った医療を提供してくれるので、利便性は公立病院よりもはるかに高いのが特徴です。ただ、公立病院と比べると医療費がかなり高額になります。私立病院の場合、初診費用で500~1000ドル(約 7,250~ 14,500円)かかります。入院する場合、高額な医療費に加えて、入院費、薬代も負担をしなくてはなりません。予め保険に入っていなければほぼ全額自己負担となり、その費用は数百万円になることもあります。

香港での健康保険への考え方

香港には、日本のような健康保険というシステムがなく、医療保険への加入義務がありません。香港で駐在員として働く場合、健康保険への加入はどのような手段があるのでしょうか。 企業の福利厚生としての健康保険 企業によって福利厚生の一環として医療保険に加入している会社もあります。ですので、企業を通して健康保険に加入するという方法があります。ですが、各企業によって加入している医療保険がカバーする範囲が違うため、日本のように医療機関に対して一律3割負担と決まっているわけではありません。ですので、会社の福利厚生として入っている保険がカバーしている病気の範囲や上限金額、妊娠出産のカバーはあるかなどを事前に確認しておく必要があります。 会社に健康保険の用意がない場合 会社に福利厚生として健康保険がない場合、海外旅行保険と現地医療保険への加入の2つの選択肢があります。 ・海外旅行保険・・・駐在用の日本の海外旅行保険に加入すると、保険会社と提携している病院を紹介してくれるキャッシュレスメディカルサービスの利用が受けられます。提携病院で診察を受けると医療費の請求が直接保険会社へいくため、自分で立て替えておく必要がなくなります。キャッシュレスで気軽に受診することができるのは、海外医療保険加入の大きな利点といえます。また、救急車、通訳の手配まで、日本語で対応してもらえるため言葉の面でも安心できます。 ・現地医療保険・・・香港に現地就職される方は海外旅行保険が利用できないため、現地の医療保険に加入することをおすすめします。海外医療保険よりも安く加入することができますが、自己負担があり指定の病院でしか受診ができません。また、日本語通訳のサービスがないため、加入する際は注意してください。 健康保険に加入しない場合 病院の診察代金はほぼ全額自己負担となります。ですが、前述の香港政府発行のIDを保有していれば公立病院での診察が可能なので、健康保険に加入せず格安な公立病院での受診をするという選択肢もあります。

香港にある日本語対応可能なおススメの病院

香港に赴任してきた際に最も困難となりうるのが、言葉の壁ではないでしょうか。香港で日本語対応可能な病院は複数ありますが、その中でもご家族で香港に長期赴任される方におススメの病院が「DYM health care」です。こちらの病院は日系クリニックで、日本人医師による日本式の医療を提供しています。日本人通訳が常駐しているので、急な発病にも日本語対応することができます。診療内容は一般診療から健康診断までサービスが充実し、小児予防接種やインフルエンザ予防接種なども受けることができます。香港で唯一の日本語でのマタニティクラスを開講しており、海外赴任される日本人家族のサポートにおいて充実しているといえます。診療時間は以下の通りです。 月、火、木、金・・・9時~13時、15時~19時 水・・・9時~13時 土・・・9時~13時、15時~18時 休診日・・・日、祝日

まとめ

香港に赴任する方々にとって気になるのが、香港の医療事情。香港は、男女の平均寿命が世界一位となっており、高い医療水準を誇っています。香港の病院は公立病院と私立病院の2種類あり、公立病院は医療費が一律で安価で受診しやすい利点がありますが、予約が取りずらく、待ち時間も平均4時間と非常に長い点がデメリットとなっています。私立病院は予約が取りやすく、利便性は公立病院よりも高いですが、診察料が高額であるデメリットをもっています。日本のように健康保険制度がない香港では、個人で保険に加入していなければ医療費がほぼ全額負担となります。そのため、赴任される前に健康保険への加入について熟慮する必要があります。また、不慣れな海外生活の中で心配となるのが言葉の壁ですが、香港で日本語対応可能なクリニックが「DYM health care」です。こちらの病院は日系クリニックで、日本人医師、日本人通訳の常駐があるため安心して受診できることに加えて、海外赴任される方はもちろんそのご家族をサポートできるよう、小児予防接種や香港で唯一の日本語のマタニティクラスの開講など、手厚くサポートをしてくれます。香港に赴任される方、長期滞在される方はぜひこちらのクリニックを受診してみてはいかがでしょうか。