香港と日本の医療の違い

近年、日本人の海外移住が増加している傾向にあります。100万ドルの夜景で有名な香港はアジアの貿易、金融の中心都市です。そのため、日本からの移住先候補の一つとして、候補の対称にあがることが多いのが香港。ですが環境や文化の違う海外での移住で心配となる点は病気についてではないでしょうか。慣れない場所では体調を崩しやすくなります。今回の記事では万が一に備えて、日本と香港の医療の違いや日本人でも安心して利用できる病院をご紹介致します。

香港の医療事情

日本では病気になったらその場合に応じた専門科に診察を受けに行きますが、香港ではファミリードクターかGeneral Practice (総合診療医)にまず診てもらうのが一般的です。健康診断を受けた際に、専門医に診てもらう必要がある場合は、ファミリードクターやGPが紹介してくれます。健康診断の結果もファミリードクターに報告に行き、常に情報を共有します。そのため香港についたらまずファミリードクターを見つけることが必要です。また日本では健康保険に入らなければいけませんが、香港には日本のような医療保険への加入義務はありません。しかし企業によっては従業員の福利厚生として加入する会社もあるようです。

香港の医療機関

香港の医療レベルは高水準といえます。香港の医療機関は多くの専門科をそろえる総合病院から小規模なクリニックまで様々で、いずれも私立と公立の施設があります。公立の医療機関の運営と管理はすべて香港政府の委員管理局が行っています。一方私立の医療機関は公立のものに比べると少数になりますが、最新の医療技術を受けることができます。積極的に技術向上に努めている医師や最新の医療機器の導入を行っている病院も少なくありません。

それぞれの医療機関のメリット・デメリット

先程、香港には公立の医療機関と私立の医療機関があることをお伝えしましたが、それぞれの特徴やメリット・デメリットは何でしょうか。今回はその点についてお話致します。 公立の医療機関 公立の医療機関は香港政府が発行するIDカードを持っていれば外国人でも低価格で診察を受けることが出来ます。大体日本円にすると1500円程度で利用できます。外科手術や入院中の食事費用なども全て含まれています。そのため長期で治療が必要な場合や症状が重い患者のほとんどが公立の医療機関を利用します。診察予約が取りにくい上に、予約がとれても長時間待たされてしまうといったデメリットがあります。 また、公立病院は日本語に対応していないため、日本人はほとんど公立の医療機関を利用していないようです。 私立の医療機関 日本人の多くは私立の医療機関を利用しています。その大きな理由としては日本語に対応している病院多くあるからです。また、希望する時間に予約ができ、医師を選ぶことも可能です。施設も綺麗なところが多く、また、サービス内容も充実しているため、安心して利用できます。しかし、私立病院のデメリットとしては、会社の担保保険や医療保険などに加入していないと費用のほとんどが自己負担となってしまいます。さらに入院する場合なども自己負担となってしまうため利用する際は自分の加入している保険が適用されるのか、大体どのくらいの値段がかかるのか把握しておく必要があるでしょう。私立病院のもう一つのデメリットは深夜などの緊急医療に対応していないことです。万が一深夜に体調を崩してもかかりつけの私立病院では診察してもらうことができません。 香港の医療機関で気をつけるべき点は救急車を呼ぶ際です。香港では効率性を上げるために患者の希望は考慮されず最寄りの公立病院に搬送されてしまいます。日本語の通じる行きつけの私立病院に運んでもらえるわけではないので注意が必要です。

日本人におすすめの医療機関

これまで香港の医療機関の特徴やそれぞれのメリット・デメリットについてお話してきましたが、香港でもし病気になってしまった時はどこの病院に行けばいいのでしょうか。香港には日系企業が運営するDYMヘルスケアというクリニックが存在します。ここでは一般内科と小児診療を行っており、水曜日と日曜日以外は朝9時から夜19時まで営業しています。日本語通訳も常駐しているため日本と同等の医療サービスを受けることができますし、MTR直結なので通院もしやすいのが特徴です。何より受付から処方まで日本語で行えるのはありがたいですね。

まとめ

日本とは違った気候や慣れない環境下では体調を崩しやすいので注意が必要です。香港は亜熱帯気候のため一年を通じて暖かく、平均気温は20℃前後です。さらに湿度も高いためテング熱やチクングニア熱といった蚊が原因で感染する恐ろしい病気にかかる可能性もあります。海外で滞在するのに大切なのは体調管理をしっかりと行うことです。ですが、万が一に備えてどこの病院が日本語にも対応しているか・かかる費用など事前に知っておく必要があるでしょう。先程ご紹介したクリニックでは日本の医療水準の健康診断や予防接種を受けることができます。香港の医療機関は私立、公立ともに医療レベルは高い水準であるので、どちらを選んでも安心して診察を受けることができます。メリットやデメリットを考慮して利用する医療機関を選びましょう。